本記事では翻訳求人のマッチングサイト「アメリア」について紹介していきます。
- アメリアの詳細
- アメリアのメリット・デメリット
- アメリアの評判・口コミ
- アメリアの利用料金
などを踏まえて、どういった方がアメリアを利用するのに向いているのかなどが分かる記事内容となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
アメリアの詳細
運営会社 | 株式会社アメリア・ネットワーク |
所在地 | 〒102-0083 東京都千代田区麹町2-2-4 麹町セントラルビル2階 |
設立日 | 2001年1月 |
対応エリア | ※調査中 |
リンク | 翻訳者ネットワーク「アメリア」 |
アメリアとは「翻訳関連のみ求人を探し、応募することができる」サイトです。
翻訳求人に特化したサイトで、求人情報に応募することだけではなく、企業からのスカウトも受けることができます。
年間約1,500件以上の求人数を管理しており、利用者10,000人を超える大手翻訳求人サービスです。
また求人を募集している翻訳会社に関してもアメリア自身が審査しています。翻訳会社の中には悪質な企業も混じっており、酷いところでは報酬を払わないなどトラブルを起こすようなところもあるようで、報酬未払い、不審な点がないかなどを審査し、質の悪い企業をはじいているため、求人のレベルも高いといったことが特徴です。
また、在宅勤務可能な案件が全体の84%を占めているため、コロナ禍でも働きやすい求人をそろえているサイトとなっています。
全体の求人数 | 201件 | |
仕事の種類 | 日本語⇒英語 | 32件(16%) |
英語⇒日本語 | 72件(36%) | |
英語⇔日本語 | 13件(6%) | |
その他言語の翻訳 | 84件(42%) | |
仕事形態 | 常駐型 | 32件(16%) |
在宅 | 150件(75%) | |
常駐、在宅どちらも可能 | 19件(9%) | |
未経験可 | 52件(26%) |
※2022年1月~5月までの求人情報
クラウドソーシングサイトとの違い
クラウドソーシングサイトとは「個人や企業が依頼する案件を誰でも受けることができるサイト」のことで、クラウドワークスなどが代表的なサービスとなっています。
クラウドワークスなどでの翻訳に関する案件に応募することができますが、違いとしては「求人の質」と「単価」が挙げられます。
クラウドワークスでは、一個人が依頼する案件がかなり多く、求人内容もかなり大雑把であったり、報酬額に関しても個人が勝手に決めているため、明らかに報酬額が低いといった案件が非常に多いです。(安いものでは時給換算すると100円という質の悪い案件もあったりします)
さらには手数料に関しても最大20%がとられることになってしまうため、最終的に受け取れる金額は非常に低いものとなっています。
対してアメリアでは、求人を募集している翻訳会社を審査しているため、信頼性のある会社、妥当な報酬額など様々な審査を通った会社の求人だけを扱っているため、安心して利用できる点がアメリアのメリットとなっています。
アメリアでの報酬の目安
仕事内容や翻訳言語よって報酬額は異なるため、正確な報酬額を提示できませんので、あくまで目安として覚えておきましょう。
実務翻訳
報酬額は1ワード当たり7円~14円。
例えば、10,000ワードの英日翻訳で1ワードのレートが10円だった場合、10,000 × 10 = 10万円の報酬額が翻訳者に支払われることになります。
出版翻訳
印税方式で支払われる場合、印税率の相場は4%~8%。
印税率が6%で、定価1,200円の本が6,000部印刷された場合、1,200 × 6,000 × 0.06 = 43万2千円が報酬額となります。
買い取り方式の場合は、1冊◯◯円といった形となります。
映像翻訳
セリフの多さではなく、時間単位で報酬が支払われます。相場は10分あたり5,000円~25,000円となります。
60分の映像を翻訳し、10分あたりの報酬額が1万円だった場合、6 × 10,000 = 6万円となります。
実際の案件例
実際にアメリアで掲載されている求人を以下に載せておきますので、参考にしてみてください。
アメリアのデメリット
アメリアのデメリットについて説明していきます。デメリットを把握しておくことはサービスを利用するうえで一番重要なので把握しておきましょう。
入会費と年会費がかかる
アメリアを利用するうえで一番デメリットとなる点としては会員になるための会費がかかるということです。
入会費としては5,500円(税込)、年会費16,500円(税込)の費用がかかります。(1日当たりのコストに換算すると約60円)
仕事1本とれば、十分元を取れる金額で、一年間アメリアを通して仕事をする方に関しては問題ないかと思いますが、自分から求人に応募せず、スカウト待ちの受け身体制の方であったり、アメリア以外で求人に応募しており、なかなかアメリア経由での求人に参加しない方には向いていないサービスかもしれません。
アメリアを利用するのであれば、自分の働くスタイルを考慮し、利益を十分出せるのかを想定したうえで利用を考えることをおすすめします。
英訳以外の求人は少な目
アメリアでは、「日本語⇒英語」「英語⇒日本語」「日本語⇔英語」の英語主体の翻訳が求人全体の58%(117件/201件)を占めており、英語以外の翻訳求人は少ないといった状況です。
英語翻訳を主体している方にとっては、アメリアは向いているかもしれませんが、英語以外の翻訳をメインと考えている方については、求人数が少ないということを把握しておくと良いでしょう。
ただし、他の翻訳求人サイトよりは多いことは間違いありません。
アメリアのメリット
アメリアのメリットについて解説していきます。
自分に合った求人が見つけやすい
アメリアは翻訳求人に特化したサイトであり、年間1,500件を超える求人を保有しています。
業界トップクラスの求人数なので、自分に合った求人を見つけやすく、難易度についても初心者から上級者まで幅広く揃えているというのが魅力のひとつです。
また、得意分野や経歴を記載した「Myプロフィール」を公開することで、各企業からスカウト待ちができ、より仕事が見つかりやすいというメリットもあります。(氏名、連絡先、住所等は非公開にできます)
ただし、スカウトに関してはオマケと思っておいた方がよいです。自分から求人に応募し、確実に仕事を獲得できるよう心がけておきましょう。
在宅求人が多い
アメリアの翻訳求人の84%(169件/201件)が在宅可能な求人となっています。
在宅可能な求人の受注や納品作業などは、メールを介して行われることがほとんどのため、ネットが使える環境さえ整っていれば地方在住の方であったり、海外に在住している方でも働くことができます。
カウンセリングを受けることも可能
翻訳の仕事をしていく上で「どういった翻訳の仕事を受けるか迷う」などの悩みが出てくることは多々あります。
「自分のスキルや実績に向いた求人は何か」「副業として利用したい場合どんな求人が良いか」「なかなか仕事の受注ができない」「スキルアップにつながる仕事をしたい」などの悩みに直面する場合があります。
そういった場合にアメリアではオンライン面談(Skypeまたは Google Meet)、メール、電話でカウンセリングを受けることができるので、アメリアの会員になった際にはぜひカウンセリングを受けてみると良いでしょう。
※オンラインで予約し、平日9時~18時で対応
独立したときに仕事の受注先を増やせる
アメリアで色々な企業と仕事をすることで、様々なクライアントとのつながりを確保できます。
初めからアメリアを使わず、完全に一人で仕事をしていく場合、仕事の受注先の確保が難しいですが、アメリアを利用すれば、独立したときの仕事の受注先となりえるクライアントとの繋がりができるというのがメリットのひとつとなっています。
翻訳に関するツールを割引利用できる
アメリアの会員になれば、以下のツールが最大30%割引で利用することができます。
- Trados Studio:一度翻訳した訳文をデータベースに登録し再利用することでコストを削減できるツール
- MemoQ:Trados Studioの競合ツール
- ABBYY FineReader:スキャンした文書や画像データの文字を認識し、PDF、Word、Excel等に出力するツール
- Babel:字幕制作ソフト
等々
翻訳において必須のツールではありませんが、効率化を図るうえで必要になってくるソフトなので、アメリアを利用するのであれば、割引利用できるツールに関しても見ておくと良いでしょう。
スキルアップに関するコンテンツが充実
アメリアの会員になると以下のスキルアップコンテンツを利用することができます。
実務、出版、映像などの各分野で毎月開催される翻訳の模擬試験。課題は約400ワード。
※合格基準を満たせば「クラウン会員」資格を得ることができ、仕事の受注やスカウトなどで有利になります。
実務、出版、映像の3種目において総合力を競うイベント。7月~9月に開催。課題は約1,000ワード。
※こちらも合格基準を満たせば「クラウン会員」資格を得ることができ、仕事の受注やスカウトなどで有利になります。
海外文化や、時事問題など約200ワードの課題文を和訳する翻訳プチ演習。入賞者にはAmazonギフト券などの特典あり。
ジョーク、区長などの短い英文を訳して参加者同士で訳文の人気投票で競うコンテスト。入賞者にはAmazonギフト券などの特典あり。
1~2行程度の和訳または英訳課題がアップされ、訳文を投稿を公開することができます。各自公開された訳文より応募者同士で学ぶことができるイベント。
翻訳に役立つ雑学やミニ知識をチェックできる選択式のテスト。
翻訳業界に関する旬な情報を入手できる。また、第一線で活躍する翻訳家のエッセイ等も掲載。
クラウン会員制度より未経験でも経験者同等の扱いになれる
通常、翻訳の求人は、実務経験がない人は「本当に良い成果物を提出してくれるのか」というのがクライアントするとわからないため、どうしても報酬レートが低くなってしまいます。
しかし、アメリアでは毎月開催されている定例トライアルの模擬試験を受け、合格基準に達することができれば「クラウン会員」になることができます。
「クラウン会員」は「仕事を十分にこなせます」という証明書のようなものであり、翻訳の実務経験がない方でも経験者募集の求人に応募することができます。経験者求人は基本的に「実務経験が3年以上」といったものが多いため、実力さえあれば3年分にキャリアを一気に上乗せできるといったシステムです。
もちろん基準に達せず「クラウン会員」になれなくても未経験用の求人は用意されていますので、安心してください。ただし、報酬額に関しては経験者案件より落ちてしまうということは理解しておきましょう。
アメリアの評判・口コミについて
アメリアの評判・口コミについてまとめましたので、参考にしてみてください。
アメリアの悪い評判・口コミ
案件の競争率が高い
LimaLima(フリーランス技術翻訳者) (@LimaLima_2010)
アメリアの会員が約1万人で、その多くが翻訳志願者という現実があります。トライアルに合格したとしても、多くの競争相手の中から選ばれてお仕事を得ることはたいへんなことです。
引用元:ツイッター
アメリアの良い評判・口コミ
質の高い学習ができる
ふじけん (@Kentaro19820412)
そうですね。アメリアはお勧めです。相当質の高い学習ができます。翻訳者としての心構えもきちんと身につくと思います。
引用元:ツイッター
元Noriee.2522 翻訳でFIRE目指す単価3桁陰キャ粘着系DQN翻訳者 (@Noriee_2522)
アメリア退会したけど、あそこでやってたミニ翻訳とか一文翻訳とか、センスいいやついっぱいいるじゃん!と思ったなあ。でも実務で回ってくるのはなんでクソ翻訳ばっかりなんだろ?アメリアにいる層とは明らかに違う気がする
引用元:ツイッター
良いクライアントからのスカウトを受けることができる
Shizue Muramatsu村松静枝@訳書:料理メニューからひもとく歴史的瞬間/世界のワイン図鑑 (@mimideka5)
最初の仕事はアメリアの求人に掲載されていた翻訳会社に応募して採用され10年近くお世話になった。同様にアメリア経由で採用された他の会社でウイスキーブランドのPRを訳し、プロフィールに書いておいたらやはりアメリア経由でウイスキー書籍の打診が来た。アメリアには感謝するばかりです
引用元:ツイッター
英語以外の求人募集も多いと感じる
鸟头🐧@B級マニラ旅から🛩渡航書De帰国🌴 (@MakeDpz758)
久々に復活のアメリア、中国語etc英語以外の人材の募集もあって、時の流れを感じるなあ…
引用元:ツイッター
アメリアの利用料金は?
デメリットでも記載しましたが、アメリアの会員になるためには以下の会費がかかります。
入会費:5,500円(税込)+ 年会費:16,500円(税込)= 22,000円(税込)
案件を一度こなせば、元を取れるくらいの金額であり、1日当たりで換算すると約60円となるため、コストとしては安く見えますが、お金が掛かることには変わりありません。
「翻訳の仕事をしたいけど案件が獲得できない」「スカウト待ちではなく自分で求人に応募する行動力がある」「1年間しっかりアメリアで仕事をしていく」という方はアメリアを利用する価値は十分にありますが、そうでない方は利用コストの元を取れるかしっかり考えてから会員を登録するか検討してみましょう。
アメリアの会員登録の流れ
アメリアの会員登録に関する流れについて紹介していきます。
アメリアの公式サイトより会員登録
以下、アメリアの公式サイトにある「入会のお申込み」ボタンより会員登録を行います。
基本情報の入力
手順に従って情報を入力していきましょう。
①基本情報入力(「氏名」「住所」「連絡先」等の入力)
②口座情報入力
上記が終われば、会員登録は完了です。
※注意点としては、入会から12か月後は、何もしない限り自動継続となります。アメリアを利用しないようになったのであればしっかり退会しておきましょう。
退会手続きはアメリアの会員WEBサイトから簡単にできます。
まとめ
アメリアについてまとめると
- 実務翻訳:1ワード当たり7円~14円
例:10,000ワードで1ワード当たり10円の場合、10,000 × 10 = 10万円 - 出版翻訳:印税率4%~8%
例:印税率6%で定価1,200円の本が6,000部印刷された場合、1,200 × 6,000 × 0.06 = 43万2千円 - 映像翻訳:10分当たり5,000円~25,000円
例:60分の映像翻訳で10分当たり10,000円の場合、6 × 10,000 = 6万円
- 入会費と年会費がかかる
- 英訳以外の求人は少な目
- 自分に合った求人が見つけやすい
- 在宅求人が多い
- カウンセリングを受けることも可能
- 独立したときに仕事の受注先を増やせる
- 翻訳に関するツールを割引利用できる
- スキルアップに関するコンテンツが充実
アメリアは「翻訳求人に特化したマッチングサイト」です。
年間1,500件を超えるトップクラスの翻訳求人数を管理しており、特に英語を主体とした翻訳を仕事としている方に向いているサービスとなっています。
報酬額に関しても高く、クラウドソーシングサイトを利用している人などはアメリアを利用したほうが確実に効率よく稼ぐことができます。
ただし、会員となるためには会費がかかるため、自分に合ったサービスかしっかり考慮したうえで会員になるかを判断しましょう。