今回は銀行口座の開設が可能なバーチャルオフィスについて解説していきます。
銀行口座の開設のためには「事業内容」などの審査ポイントも重要ですが、そもそも住所として信頼性の低いバーチャルオフィスを利用してしまうと、それだけで口座開設の審査に落とされる可能性があります。
本記事では、口座開設の審査に合格するため
- そもそもバーチャルオフィスで銀行口座は開設可能か?
- 口座開設可能なバーチャルオフィスを選ぶポイントは?
- 口座開設の実績があるバーチャルオフィス一覧
- 銀行口座を開設しやすくするためのポイント
- 銀行口座を開設に必須の書類や、有利になる書類
について解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
そもそもバーチャルオフィスで銀行口座を開設できる?
結論から言うとバーチャルオフィスでも銀行口座の開設は可能です。実際にバーチャルオフィスで口座開設をした実績もあり、会社として実在のしない住所だからといって口座開設できないということはありません。
ただし、どのバーチャルオフィスでも口座開設が可能かと言われるとそうではありません。
例えば入会審査の甘いバーチャルオフィスなどでは、過去に反社や違法的な業者が利用し悪用された事例があります。
悪用されたことのあるバーチャルオフィスは、住所としての価値が低く口座開設の審査に通りにくいということです。
もちろんあなた自身の事業内容なども銀行口座開設の審査対象となりますが、そもそも間違ったバーチャルオフィス選びをしてしまうと口座開設は厳しくなってしまうということです。
「銀行口座を開設しやすいバーチャルオフィスを選ぶためにはどうすればよいか」
「銀行口座を開設するために準備するべきこと」
をしっかり押さえていくのが口座開設のために必要なことなので、しっかり把握していきましょう。
銀行口座が開設しやすいバーチャルオフィスの特徴は?
銀行口座が開設しやすいバーチャルオフィスの特徴について学んでいきましょう。
事業内容などがしっかりしていても住所価値の低いバーチャルオフィスを利用してしまうと法人口座の開設は非常に難しくなってしまいますので、しっかり把握していきましょう。
審査がしっかりしているバーチャルオフィス
バーチャルオフィスの入会審査がしっかりしているバーチャルオフィスを選ぶようにしましょう。
バーチャルオフィスの中には、入会審査が一切なく誰でも無条件で利用できるようなバーチャルオフィスがあります。そのようなバーチャルオフィスの住所は「過去に悪用された犯罪歴のある住所」もしくは「今後悪用されるであろう住所」であるため、住所としての価値が非常に低くなってしまいます。
最低でも入会審査には「本人証明書の提示」があるバーチャルオフィスを選ぶようにしてください。
アパートやマンションの1室が住所であるバーチャルオフィスは利用しない
アパートやマンションの1室を貸出しているバーチャルオフィスは利用しないことをおすすめします。
アパートやマンションの1室を貸出しているバーチャルオフィスは過去に犯罪歴があったケースが非常に多く、銀行はそういった住所ということだけで審査から落とすということがありますので、注意してください。
そもそもアパートやマンションの1室を貸出しているバーチャルオフィスはちゃんとした運営会社でない可能性が高く、急にサービスが停止されてしまい住所を利用できなくなってしまうケースも存在するため、アパート、マンションなどを貸出しているバーチャルオフィスは避けるようにしましょう。
ただし、バーチャルオフィスは入会後でないと正式な住所を教えてもらえないところもあるため、内覧ができるバーチャルオフィスを利用すると安全です。
結論として口座開設の実績があるバーチャルオフィスを選ぶと良い
結論から言うと、銀行口座の開設実績のあるバーチャルオフィスを選ぶのが間違いないです。
口座の開設実績があるということは、銀行も住所として問題ないと判断しているという証拠でもあります。
ではどうやって「口座開設の実績あり」を判断すればよいのでしょうか。
ツイッター等の口コミ等で口座開設をした人の口コミを調査するという手段もありますのが、一番手っ取り早いのはバーチャルオフィスのホームページに「◯◯銀行を紹介します」もしくは「銀行口座の開設実績あり」の旨の記載があるかを確認するのが良いでしょう。
そもそも「信頼性のある住所かどうか」を判断するのは難しいため、実際に口座開設の実績があれば確実に口座開設の可能性があるということになります。
実際に口座開設の実績があるバーチャルオフィス一覧
では実際に過去に口座開設の実績があるバーチャルオフィスを見ていきましょう。
GMOオフィスサポート
運営会社 | GMOオフィスサポート株式会社 |
料金 | 月額990円(住所貸出+法人登記) 月額1,650円(住所貸出+法人登記+郵便物転送(月1回) 月額2,200円(住所貸出+法人登記+郵便物転送(隔週1回) 月額2,750円(住所貸出+法人登記+郵便物転送(週1回) |
バーチャルオフィスの場所 | 渋谷、新宿、銀座 |
主なサービス | 住所貸出、法人登記、郵便物転送 |
リンク | バーチャルオフィスならGMOオフィスサポート![]() |
GMOオフィスサポートは「渋谷、新宿、銀座のバーチャルオフィスを利用できるサービス」です。
グループ会社である「GMOあおぞらネット銀行」と提携しているため、「GMOあおぞらネット銀行」での法人口座が非常に開設しやすいサービスとなっています。
電話転送や貸会議室などはなく、提供しているサービス内容は少し物足りないものはありますが、格安で利用できるサービスであるため、コストを抑えたいのであればGMOオフィスサポートがおすすめです。
ちなみに口座開設の実績は、口コミ等を調べましたが今のところ「GMOあおぞらネット銀行」しか確認できませんでした。
レゾナンス
運営会社 | 株式会社ゼニス |
料金 | 月額1,650円(住所貸出+法人登記+郵便物転送+来客対応+貸会議室) 月額3,850円(住所貸出+法人登記+郵便物転送+来客対応+貸会議室+電話転送) 月額6,050円(住所貸出+法人登記+郵便物転送+来客対応+貸会議室+電話秘書代行) |
バーチャルオフィスの場所 | 港区、銀座、渋谷、新宿 |
主なサービス | 住所貸出、法人登記、郵便物転送 貸会議室、電話転送、電話秘書代行 |
リンク | 月額1650円!東京都内一等地のバーチャルオフィス【レゾナンス】![]() |
レゾナンスは「東京の一等地を格安1,650円から利用することができるバーチャルオフィスサービス」です。
「みずほ銀行」「GMOあおぞらネット銀行」を紹介しており、口座開設の実績もあるため、信頼性の高いサービスとなっています。
また口座開設だけでなく「電話転送/電話秘書代行」「貸会議室」なども整っており、目的に沿った使い方ができるのが魅力的なポイントです。
また「貸会議室」や「常駐の受付スタッフ」がいるため、急な来客対応もすることができるため、バーチャルオフィスの中でも高いサービスを提供してくれるのが特徴となtっています。
ただし、東京にしか支店がないため、東京以外の地域に住んでいる方で来客対応などを想定している方は使いずらいというのが唯一のデメリットと言えるでしょう。
ワンストップビジネスセンター
運営会社 | 株式会社ワンストップビジネスセンター |
料金 | 月額4,800円(住所貸出+法人登記+郵便物転送+来客対応+貸会議室) 月額8,900円(住所貸出+法人登記+郵便物転送+来客対応+貸会議室+電話転送) 月額14,800円(住所貸出+法人登記+郵便物転送+来客対応+貸会議室+電話秘書代行) |
バーチャルオフィスの場所 | 東京、神奈川、大阪、北海道 福岡、愛知、京都、神戸 宮城、香川、広島、熊本 |
主なサービス | 住所貸出、法人登記 郵便物転送、電話転送、電話秘書代行 |
リンク | バーチャルオフィスのワンストップビジネスセンター![]() |
ワンストップビジネスセンターは全国38拠点以上のバーチャルオフィスを貸出している大手サービスです。
バーチャルオフィスの貸し出しだけでなく、「都市銀行」「ネット銀行」を解説した実績があります。
「みずほ銀行」や「GMOあおぞらネット銀行」の紹介もしているバーチャルオフィスであり、口座開設のためのサポートも丁寧にしてくれるため、法人口座の可能性が高いバーチャルオフィスとなっています。
またレゾナンスと同様に「貸会議室」や「常駐する受付スタッフ」もいるため、来客にもバッチリ対応できます。
全国に店舗があるため利用しやすいですが、料金が高いというのがネックです。
銀行口座を開設しやすくするための必要事項
銀行口座が開設できるバーチャルオフィス選びを行った後は、口座開設のために必要なものをそろえていく必要がありますので、しっかり押さえておきましょう。
はっきりとした事業目的が重要
銀行の口座開設で重要な審査ポイントには「事業内容」というものがあります。
これは反社や、詐欺まがいの事業を展開する会社を省くため、銀行側は「事業内容」を把握する必要があるのです。
金融機関に事業内容をわかりやすく簡潔に説明できるように準備しておきましょう。
どんな商品・サービスを展開している事業なのか、また代表者の「職務経歴書」などもあればベターです。
事業内容の証明のため実際に使った「契約書」「請求書」「受注書」「納品書」「領収書」などがあれば証拠品として提示することができるので、用意しておくとスムーズに事が運びます。
資本金の金額を低すぎる金額にしない
資本金1円から会社を設立することは可能ですが、あまりに資本金の金額が低すぎると事業として成立していないとみなされる場合があります。
また会社としてすぐにつぶれてしまうのではないという印象も与えてしまうため、資本金が少ないのはかなりのマイナスポイントです。
あくまで銀行側が行っている審査のため、具体的な資本金の数字は提示できませんが、資本金100万円以上あれば審査に引っかかることはないといった印象です。
社名は他の会社と被らないように
社名は他の会社と同じにならないようにチェックしましょう。
特に反社や違法的行為を行っている会社と同じ社名になってしまうと、事業内容に関わらず世間からはどうしても悪いイメージを与えてしまうため、銀行としても審査に通せないといったことになります。
また会社について調べる上でも、同じ会社が複数あるとどの会社なのかがわかりずらいといったことになるので、社名は重複しない名付けを行いましょう。
口座開設のために必要な書類をそろえよう
口座開設に必要な書類についてまとめましたので、参考にしてください。
【必須】
- 写真付き身分証明書(免許証、パスポート、住基カード、マイナンバーカード等)
【法人の場合に必須の書類】
- 履歴事項全部証明書
- 法人の印鑑証明書(原本、発行後3か月以内)
【求められることが多い書類】
- 会社定款
- 実質的支配者の確認資料
【あれば有利に進むもの】
- 履歴書・業務経歴書
- 会社案内・パンフレット
- 見積書、商品のサンプル等
- 契約書、請求書、受注書、納品書、領収書
- 会社のホームページ
- 官公庁から発行された免許・許認可・届出・登録が確認できる資料
- 事業に関連した資格の証明書
- バーチャルオフィスの契約書
服装には気をつける
資料が揃ったら、銀行訪問となりますが、審査する側も人間ですので心象が悪くならないよう身だしなみには気を付けましょう。
自分ではまともに思っている服装でも相手側からしたらカジュアルすぎるといった印象を与える場合もありますので、普段仕事でスーツを着ていない場合でも、スーツで行けば間違いありません。
バーチャルオフィスを利用していることは正直に説明する
審査対象の住所はバーチャルオフィスであることは正直に説明しましょう。住所がバーチャルオフィスだからといって悪い印象を与えることはありません。
銀行との契約は信頼関係や、真摯さが重要です。下手に隠すと逆に悪い印象を与えてしまいます。
バーチャルオフィスと契約を結んだ際に契約書を貰えますので、そちらも持参していくと良いでしょう。(契約書は郵送されてくるか、もしくは各バーチャルオフィスの会員専用サイトからダウンロードできます)
最後に
銀行口座の開設を行うと以下のようなメリットがあります。
- クレジットカードを作れる
- 経理業務が簡単やりやすくなる
- 取引先との入出金が楽
- 取引先や顧客の信頼度が上がる
自分の会社自体の社会的信頼性が上がるため、会社を設立するのであれば、銀行口座は間違いなく開設したほうが有利です。
ただし、間違ったバーチャルオフィスを選んでしまうと、銀行口座の開設は非常に厳しくなってしまうため、信頼できるバーチャルオフィスを利用することをおすすめします。
過去に口座開設の実績のあるバーチャルオフィスを選べば、住所として間違いなく口座開設することはできます。(あとは業務内容等が審査基準に満たせるかです)
仮に口座開設の審査に落ちたとしても落ち込む必要はありません。時間を空けて、しっかり事業実績を作ったうえで再度銀行に行けばよいだけですので、ぜひ口座開設にチャレンジしてみてください。